生きがい挑戦 グラスアートラン栽培

アトリエでグラスアートを制作する木村さん

蘭栽培家・グラスアート作家 木村昌己さん

もうひとつの生きがい「グラスアート」の世界

グラスアート制作風景 木村さんの生きがいとしてのライフワークを語るに、庭に咲く草花を集め押し花とし、自然の押し花の持つ造形だけでメルヘンの世界を描く、「グラスアート」制作も忘れてはならない。

20年も前のこと、たまたま児玉町の知人のブティックで、小さい花束を抱えている後ろ向きの女の子の「グラスアート」(葉書大)が飾ってあったのを見て、痛く感動した木村さん。その翌日に、秩父在住の「グラスアート」の先生に即、電話。月に2回、3年間ほど先生の指導を受け、師範の免許まで取った。

現在木村さんは、本庄市上里町の公民館で15年間も続いている、月2回の「グラスアート」のボランティア講師を務めている。受講生は、50歳~60歳くらいの年配の方々が大半。

木村さんのグラスアート作品

「グラスアート」のいいところは、「押し花」という全くの自然の素材を活かす芸術で、ハサミすら使わないという。素材そのものは、ほとんど各家庭の庭で収集できる草花で、押し花にしたあと、ピンセットで各素材を組み合わせて、ストーリーのある絵画に仕上げていく。中高年、団塊世代のリタイア組にもってこいの趣味だと語る木村さん。

販売目的の制作はしたくないと語る木村さんは、「自分の作品は手放せないし、売り物にしたら、作品に妥協が出て、作品が雑になる」と、展示会でも逆に、売れそうもない高い値段を付けて展示する。制作を頼まれると、「額を持って来てみてください」と話し、「額が気に入ったら作ってさしあげる」とのこと。

どうも、木村さんは、「趣味に生きたり、趣味を極めたりできる人」の典型らしい。 木村さん曰く、「趣味は生きがいですね!趣味が無かったら、つまらない生涯だと思います。趣味が無かったら、毎日、ゴロゴロしなくてはならない。趣味に毎日向き合って、深みのある、感動のある人生にしてみたいと思っています」

また、木村さんは「グラスアートの趣味の世界であっても、趣味人の戦いの場であり、そのままそれぞれの生きがいに繋がっています。多くの人々に、どれだけ感動の届きの深さがあるか、趣味人どうしが競い合っているわけです」と笑う。  

木村さんのグラスアート5連作品
 木村さんの「グラスアート」は、模写ではない、すべて自分で考えた挙句に生まれ出る、オリジナル性とストーリー性をもっとも大切にしている。メルヘンの世界を「グラスアート」で表現するための準備やアイデアに繋がる情報入手のために、テレビ報道から新聞、雑誌まで多くのマスコミ媒体にも興味を持ち、制作のヒントや、構想の材料に活用している。

木村さんの趣味を通しての生き方は、常にオリジナルの表現にトライしようとする、傍からみれば過酷ともいえる世界に生きる趣味人の、徹底した生き様の典型のようだ。 「勉強すればするほど、面白い作品が誕生します。創造性、ストーリー性が無いものは創りたくない。感動が生まれないから!」



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