自費出版

「父子共作 半自伝 波瀾万丈90年
二度と戦争はせんど! 」

波瀾万丈90年 二度と戦争はせんど! 父子共作 半自伝 波瀾万丈90年
二度と戦争はせんど!

萩原勝義 著 補筆・構成 萩原彰一

刊行予定(ネット販売)

2009年8月15日(土)終戦記念日 刊行予定

2009年8月12日(水)からの配本開始を予定いたしております。

初版限定発売部数 300部

定価2,625円(本体価格2500円+税125円)

送料無料!!

ご注文ボタン

抄録<山本五十六長官機ブイン上空で撃墜>

連合艦隊司令長官山本五十六から感状を授与された記録が残る勝ちゃんの来歴簿。

明けの朝、総員起こしと同時に、各機長本部に集合のアナウンスがあった。敵機動部隊がツバルの沖をソロモン海に向けて進行中、と情報が入った。

山本司令長官が、ソロモン海及びニューギニア地域に於いて、起死回生の作戦を展開するとの、1001空の情報はデマではなかった様だ。集落訪問どころの騒ぎじゃなくなった。我らも早速、索敵行。ツバルの沖を目指す。

燃料の続く限り索敵を続けたが、それらしき影を認めず、やむなく引き上げる。その頃、山本五十六大将はラバウルに進出。直接「い号」作戦の指揮を執っていた。

この作戦は『皇国の興敗この一戦に在り』乾坤一擲の戦いである。航空兵力の総力を決集してこの戦いに当て、敵を押さえて戦況を挽回し、同時に講和に持ち込む算段が、長官の胸には計画されていたんじゃないだろうか?

しかし、天は我に味方せず!

第1回4月7日、ガダルカナル島米軍基地を攻撃。

第2回4月11日、ニューギニアの米軍基地攻撃。

第3回4月12日、ポートモレスビー攻撃。

第4回4月16日、ニューギニア東端のルミン湾基地攻撃。

この「い号」作戦のすべてが失敗に終わった、と言っても過言では有るまい。

今まで数多くの敗戦に熟練搭乗員を失ったツケが、今回って来て、グラマン1機にゼロ戦5機かかっても危ない始末。犠牲ばかり多くて戦果は上がらず。

戦局はもうニッチもサッチも行かぬ羽目に立ち至り、我々兵隊の目にも万に一つの戦勝の望みは無くなっていた。

風前の灯ながら、最後の炎を燃え上がらして、少しでも有利な講和条約締結をと願いながら、その願いも空しく潰え、悲運の長官は何を思う。

最前線のラバウルからたった6機の護衛を従え、そのまた前線に視察に出る長官は、二度と帰らぬ覚悟の視察ではなかったのだろうか?

山本長官の飛行機が4月18日、ブイン上空で撃墜された。

この悲報は、その日の内に我々の隊にも知らされた。

何と言う事だ。呆然自失! 躰から全身の力が抜け落ちて、みんな座り込んでしまった!

我ら海軍軍人が、この司令長官の指揮のもとでなら、何時でも命を捧げますと、信頼仕切った山本長官は、自からの命を最前線ブインの空に散らして、敗戦の罪を詫びた。

この時、後に残った軍の最高幹部は何を思い、どんな作戦を考え、この戦いを収める努力をしたのだろうか?

一億玉砕等と愚にもつかぬことを考えて居たとしたら、全く恐ろしい。いや、これを裏付けるような戦いが、この後続くのだ。


 




自費出版 バックナンバー

父子共作 半自伝
「波瀾万丈90年 二度と戦争はせんど!」



カスタム検索